◆イントロダクション
おじいちゃん、物理の「解析力学」で、「一般化座標」っていうワードが
出てきたんだけど、よく意味が分からないの!


「一般化座標」っていうのは、
解析力学において、特定の条件に順ずる物体の運動について、その位置を
表すのになるべく少ない変数を用いて、簡単で直観的に扱うことができる
ように、角度や既知の任意の曲線上の距離で表される変数によって表され
る座標系である。
(Weblio辞書より引用)

簡単に言うと、中学校で習うよりも、「もっともっと広い意味での座標」だよ。

そして、「『ニュートンの運動方程式』を使うときには一般化座標は使えない」
ことが重要だよ。

ちなみに「座標」っていうのは「位置の表しかた」のことだよ。
◆詳しく説明
ボールが飛んでいます。
あなたはそれを見ています。

いま、ボールは空中を真横にまっすぐ飛んでおり、飛んでいる途中で速さは変わらないとします。
あなたは、このボールの運動(=動き方)を、たくや先生に伝えないといけません。

ただし、その時に絵を使ってはいけません。
なぜなら、たくや先生は絵 恐怖症だからです。

あくまで言葉だけで、伝えないといけないのです。
あなたはどう言いますか?
「ボールは地面から5mの高さを、時速160kmで、東に向かって飛んでいますよ。」
こう伝えればいいですね。

要は、
「速度は横に時速160km、縦に0km
高さ(=縦の位置)はずっと5m」
ということです。
つまり、「タテ、ヨコ」を使って伝えているわけです。
このような伝え方を、「直線直交座標」といいます。(重要!)
では、こんどは、ボールがひまりちゃんの周りをぐーるぐーると回っている場合はどうでしょうか?
この場合、たくや先生に伝えるにはどうすればいいでしょうか。

「ボールはひまりちゃんから距離3mをたもちながら、
時計回りに毎秒90度で回っていますよ」
のように伝えればよさそうです。

要は、「ひまりちゃんからの距離と、角度」を使って伝えているわけです。
このような伝え方を、「極座標系」といいます。(重要!)
「直線直交座標系」と「極座標系」のほかにも、実はいろんな座標系があります。
たとえば、「タテ、ナナメ」で伝える座標系とか。

たとえば、「ばねの伸びた長さと、ばねの角度」で伝える座標系とか。

まだまだ、ありますよ。
こんなふうに、直線直交座標系以外の座標系を、ぜんぶぜーんぶ含めた、いろんな座標系を、「一般化座標」というんですよ。
「一般化」は、「直線直交座標系だけに限定しない、一般の」という意味ですね。
ところで、物理学では、物体の動きを予測するために、「ニュートンの運動方程式」というアイテムがあるのをご存知ですか?
「ニュートンの運動方程式」は、350年前くらいに、イギリス人のニュートンという人が編み出した、物体の動きを予測するための秘密アイテムです。

しかし、この秘密アイテム、じつはちょっと融通がきかなくて…「直線直交座標系」の話し方で情報を渡してやらないと、ウンともスンとも使えないんです!

なんて困った仕様でしょう!
「一般化座標系」では使えないんです!

これでは使い勝手が悪い! ということで、ニュートンの何十年もあとで、フランス人のラグランジュという人が、もっと便利なスーパーアイテム、その名も「ラグランジュの運動方程式」を開発しました。

「ラグランジュの運動方程式」は、「一般化座標」で情報を与えても、動いてくれるんですよ。

◆つまり?
上記のお話しを整理します。
- 「位置の表し方」のことを「座標」といい、「座標」の種類には「直線直交座標系」「極座標系」「斜交座標系」など色々ある。
- それらぜんぶの座標系をまとめて「一般化座標」とよぶ。
- 「ニュートンの運動方程式」は「直線直交座標系」で情報を渡してやれば動くけど、それ以外の「一般化座標系」では動かない。
要は、一般化座標は自由な座標の表し方なんだな、ということだけ覚えておいてください。
なんか、分かったような?気がする!

◆まとめ
「一般化座標」っていうのは、
「いろんな位置の表し方、どれでも可!」っていう意味なんだね♪
