◆イントロダクション
おじいちゃん、物理の「力学」で
「慣性の法則」っていうワードが出てきたけど、よく意味が分からないの!


「慣性の法則」っていうのは、
ニュートンの運動の第一法則。物体は外力の作用を受けない限り、静止または等速度運動の状態を続けるというもの。
(コトバンクより引用)

簡単に言うと、
「すべてのものは放っておくと同じ動きを続けようとする性質をもっている、という法則」
のことだよ。
◆詳しく説明
ここは宇宙です。
無重力です。
何もない空間を、ひまりちゃんがスーッと移動しています。

無重力なので、ひまりちゃんはそのまま観察しつづけると、ずーっと同じ速さで、同じ方向に進み続けることでしょう。
この、同じ速さで同じ方向に進み続けることを、等速直線運動 と言ったりします。

なぜ等速直線運動をつづけるのかというと、この世のものはすべて、放っておくと同じ動きを続けようとする性質をもともと持っているからで、この性質を「慣性」(ここ大事!) といいます。

この「慣性」は、どんな物でも等しく持っている性質ではあるんですが、いつ、いかなるときでもその性質が表に現れているわけではありません。
性質が隠れてしまっている (慣性が表に現れない) ことがあるんです。
どんな時かといえば、たとえば、電車の中にいる時です。

あなたは電車の中にいるとします。
電車は徐々にスピードが上がっていくとします。
そうすると、あなたは後方にひっぱられるような力を感じるでしょう。
実際に誰かからひっぱられているわけではないのに、ひっぱられるように感じるのです。
「慣性」(= 何もされなければ、同じ状態をたもとうとする性質)が、ない状態です。

じつは、速度が変化する乗り物に乗っているとき、慣性は顔をかくしてしまうのです。
そのため、スピードが上がっていく電車に乗っているときには、慣性がなくなってしまうのです。
止まっている電車の中では、慣性が表に表れています。そのため、中に乗っている人やものだけ勝手に動き出したりはしません。
止まっているモノは止まったままです。

また、速度が変化しない、一定の速度で動き続けている電車の中でも、慣性が表に現れます。
そのため、中に乗っている人やものは、急に前に引っぱられたり、後ろに引っぱられたりしないのです。

- 速度が変化する乗り物に乗っているときは、慣性が現れない。
- 速度がゼロ、または一定の乗り物に乗っているときは、慣性が現れる。
よかったら覚えておいてください。

ついでなので、もうひとつだいじな話をします。
速度が変化する乗り物に乗っているとき、なにか例外的に慣性が現れる物体はあるでしょうか?
答えは、ありません。
速度が変化する乗り物に乗っているものは、例外なく、慣性が隠れた状態になっています。

逆に、速度が変化しない乗り物に乗っているとき、なにか例外的に慣性が現れない物体はあるでしょうか?
答えは、ありません。
速度が変化しない乗り物に乗っているものは、例外なく、慣性が現れている状態になっています。

慣性のある・なしは、その場によって (= 乗り物の運動によって) 、例外はないのです。
◆つまり?
再度まとめると、
- この世のものはすべて、放っておくと同じ動きを続けようとする性質をもともと持っていて、この性質を「慣性」とよぶ。
そして、
- 速度が変化する乗り物に乗っているときは、慣性が現れない。
- 速度がゼロ、または一定の乗り物に乗っているときは、慣性が現れる。
また、
- 慣性のある・なしは、乗り物の運動によるのであって、例外はない。
なんか、わかったような? 気がする!

◆まとめ
「慣性の法則」っていうのは、
「すべてのものは同じ動きを続けようとする性質を秘めている」
ことなんだね♪
